王陽明の心は現代も生きている!

「流れを作る」〜割に合わないことを手を抜かず・・・・・・
          真剣にやったら新たな道が開ける〜
折笠廣司 椿き家社長
売上げを伸ばすこと、利益をあげること・・それを優先に突き進む企業が多い中、広島に本社をおき、本当に喜んでもらえる人のための物作りにこそ、企業の社会的意義があるという・・・
新しい時代の企業のあり方を追求している氏に今日に到る軌跡を伺った。

折笠氏は北海道の農家生まれであつたことから、農薬の影響で五歳の時、胃潰瘍を患うこととなつた。このことがキッカケで十八〜九歳のころに、安全な野菜、安全な食品ということに興味を持ち、なるべく農薬を使わないジャガイモを作り東京に行った。今から30年前である。

しかし、当時この考え方は理解を得られず、食べていかなければいけないこともあり、22才の時大阪で食品問屋を始める。自身が十勝の出身だったことから『豆』に関心があったこともあり、大豆を使って安全な豆腐作りを始めることを発起する。

世の中から理解されない苦しみ
五年ほど試行錯誤し、めざす豆腐は完成したが、どうしても工数が多くかかっているため、値段が高くなり、安全と言っても別に他の豆腐が危険などと誰も思っていなかった時代、世の中から理解されない苦しみは大きかった。

掃除から学んだ経営の心

「日本を美しくする会」に参加し、岐阜の田舎の駅のトイレ掃除を行った時、素手で便器に手を入れるのがたまらなく怖かった。三時間の間、なんで涙が出るのかよくわからなかったが、ずっと泣き通しでした。
いろいろな事が思い出されて・・・・岐阜から帰り、主催している鍵山氏に・・自分は小さい頃から病弱だったこと、青春時代も暗く辛かったこと、今も安全な食品の仕事をやっているけれど、認めてもらえないこと・・・・つまり社会に対しての恨みごとを綿々と書き連ねました。返事がきました。・・恨みや戦いからは何も生まれてこないこと、「霜に打たれた柿の味、辛苦に耐えた人の味」・・・目から鱗がとれた・・心の中が整理できました。第二の誕生日です。

結局自分のことしか考えていなかった・・・社員に心の栄養を与えていなかった!物つくりもそうだ・・・本当に喜んでもらえる人のために・・・なんだ!と気づいた。

結果として出た利益をこれに向けることが出来るような会社にならないといけない。それが本当の意味での社会に存在する意義のある会社になることだと思っています。