仏教では、何ものにもとらわれない自由無碍の境地を三昧といい、その道の達人になると自分の本当にやるべきことに心が向かうと、定力によって他のことは全部忘れて、そのことに深く没頭することができるという。
一流の彫刻家なども、一心に精魂をかたむけて好きな制作に没頭していると、自分と彫刻そのものが一体化し、自分がそれを作っているのか、それによって作らされているのかわからない無我の境地に入り、それによって名声を博そうとか、よい出来で高く売れるようにとかいう不純な気持ちは一切起きないらしい。
私達も本当に好きなことに没頭していると、他のことが邪魔にならず時間や空間を忘れ、ハッと我に返ってはじめて自分の存在に気づくような体験をすることがある。
このように、仕事が遊びのように楽しみながらできる遊戯三昧の境地に入れたらしめたものである。